外来感染対策向上加算に係る令和4年度 第2回 萩地域感染対策カンファレンス及び感染症対策訓練の実施について

 入院から在宅までの切れ目のない医療提供体制の整備を推進するため、この度の診療報酬改定では新型コロナウイルス感染症への医療対応をはじめとする感染防止対策にこれまで取り組んできた入院医療機関向けの診療報酬上の評価が見直され「感染防止対策加算」が「感染対策向上加算」へ改正されるとともに診療所向けの「外来感染対策向上加算」が新設されたところです。

 「外来感染対策向上加算」を新たに厚生局へ届け出される診療所は都道府県の要請を受けて発熱患者の診療等を実施する体制を有し自治体ホームページで公開していること(新型コロナウイルス感染症においては「診療・検査医療機関」として山口県に登録し、県のホームページに掲載されていること)が必要であり、この要件を満たし加算の届け出をした診療所には平時から感染防止対策の推進に向けて「感染対策向上加算1」の届出をしている地域の医療機関が主導し、地域医師会及び県保健所と連携して行う感染対策に関するカンファレンスや新興感染症の発生を想定した訓練、いわゆる実地訓練への参加が求められます。

 当萩医療圏では都志見病院が「感染対策向上加算1」を厚生局に届け出されており、さる7月14日(木)に「感染対策向上加算1」の届出医療機関の都志見病院の主導により、今年度の第1回目のカンファレンスを実施したところです。当該カンファレンスには感染症などの健康危機の発生の未然防止、健康危機発生時の対応を指導されておられる立場から、山口県萩健康福祉センター(萩保健所)の担当者や感染対策に対する住民の理解と協力を進める立場から住民に身近な自治体である萩市、阿武町の担当者にも参加していただきました。

 今回は以下のとおり、院内感染対策における平時及び緊急時の行政等(特に適切な介入・支援が求められる保健所)との連携促進のためのカンファレンス及び新興感染症の発生を想定した実地訓練を第2回目として実施しました。

1 日  時:令和4年10月13日(木) 19:00~20:30
2 場  所:萩市総合福祉センター 1F 多目的ホール
3 参 加 者:22医療機関(ウエブでの参加も含む)
4 主  催:都志見病院、萩市医師会
  共  催:山口県萩健康福祉センター(萩保健所)、萩市、阿武町 
5 内  容:
(1) 萩健康福祉センター(萩保健所)からの感染症に関する情報提供
  ・ 萩健康福祉センター(萩保健所)による指定感染症発生時の注意事項について
  ・ 萩医療圏におけるCOVID-19クラスター対策チームの活動について
(2) 感染症対策訓練(PPE着脱訓練)
  ・ 都志見病院 感染管理認定看護師による感染症対策における防護服着脱訓練
  ※ 参加医療機関はPPE、ごみ袋持参 
6 その他
(都志見病院からの報告)
・都志見病院では入院患者などの院内での新型コロナウイルス感染拡大、クラスターの発生を受けて、クラスターの観測・監視のために院内クラスター対策本部を立ち上げ、DMATを編成し、活動を行った。
 DMATは院内の情報収集・集約化・共有化を行う上で、機動力を発揮するとともに患者のスクーリング、院内での患者の移動及び院内のゾーニングの検討、資材の搬入・搬出の見直しなどにおいても有用な働きをした。
 また、国による9月26日以降の発生届の重点化などの新型コロナウイルス感染者への支援体制の見直しを受けて、山口県では圏域単位の施設等クラスター支援の体制整備を図ることとしており、萩医療圏でのクラスター支援チームの構築に向けて、県のクラスター対策班の中心メンバーである、山口大学医学部先進救急医療センターの藤田先生から都志見病院に協力の要請があったところであり、県の萩保健所との調整役として当院のDMATのメンバー2人を推薦したところである。各医療機関におかれては萩医療圏のクラスター支援チームの構築に向けてメンバーとしての参加協力をお願いする。
(意 見)
・新型コロナウイルスの感染拡大の第7波において、医療現場で見えてきた課題として、自宅療養者の適切な救急の利用も含め、夜間の急変患者の受入れ体制、高齢者特に認知機能の低下した方の入院受入体制の整備の充実強化が必要
・県の萩保健所の担当者からの説明で、高齢者等の入所施設で新型コロナウイルスの感染拡大があり、施設に勤務する看護師が感染した場合、入所者の健康状態についての医療的な評価が出来なくなるといった課題が示されたが、萩圏域で運用している、主に自宅療養者を対象にした健康観察を行う、輪番制度に参加している医療機関の柔軟な活用について検討する余地があること 
  

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